【プロローグ】
先月のある日、長年の酷使に耐えてくれていたエモテーター1105MXのスイッチをONにしましたが、動きません。最初は何が何だか分かりませんでしたが、ヒューズが黒焦げになっているのを発見。とりあえずヒューズを交換してみると、電源は入りましたが、方向を指示するメーターが動きません。空を見上げると、アンテナは回転している様子。コントローラーの故障を疑いました。雷の後だったし、他の方のブログにも、ツェナーダイオードやパスコンを修理された記事があったりしましたし……。
【ヘルプ~!】
あちこちのMLに「ローテーターが壊れました」と書きました。まず、救いの手を差し延べてくださったのがJA3ART 海老原さん。「使ってないエモテーターのコントローラーがあるので、送ってあげましょう」と。角型8ピンコネクタなので、互換性があるだろうと……。2台試してみましたが、やっぱりダメです。方向は指示されません。こりゃぁ、コントローラーじゃなくて、タワー上の本体の故障が濃厚です。方向検知用VRの故障は珍しくなさそうです。
次にヘルプを求めたのは、けいはんな通信の社長 JF3LFL 今西さん。お聞きして分かったのが、エモテーター社が代理店経由のサービスを行っていないという現状。なので、資料もなければ修理の取次もできないんだそうです。修理の際の作業はしてくださるそうですが、作業料は今の私には支出できません。「新品を買う時には、必ずお願いしますね」とお礼を言って、別の方法を探すことに。
続いて、エモテーター社に直接お電話をしてみました。しかし、土曜だったこともあり、「本日は定休日となっております」とのテレホンサービス。私は、カレンダー通りに働く公務員でして、平日に電話をかけることはできません。さりとて、同社のホームページはないし……。問題の箇所を特定するために、コントローラーや本体のコネクタピン間の電圧や抵抗値のデータがほしかったのですが。
実家に、購入時の取説があるかも。XYLを実家近くの歯医者に連れていったついでに、実家に立ち寄ってみましたが、運悪く留守。万事休すの状況となりました。
【よぅし! カメラで監視するぞぉ~】
ただ、回転部が故障していないのは不幸中の幸いです。気を取り直して、ない知恵を絞ります。窓から顔を出し、アンテナを見上げながらローテーターを操作するのは億劫です。行き着いた結論は、「カメラでアンテナを監視する」です。以前、DIYで車にリアカメラを取り付けた経験から、かなり安価に実現できるだろうことは分かっています。Yahoo!ショッピングや楽天を見ながら、さっそく『ポチッと』を始めました。
カメラ:1800円(完全防水・赤外線LED付き)
10m延長ケーブル:1080円
BNC→RCA変換コネクタ:260円(10個 以上送料無料)
合計4520円ですが、貯めていたTポイントや楽天ポイントを使ったので、実質的なお支払いは1000円ポッキリでした。
最初、方向指示には8方位を表す放射状の線を透明シートに書いて貼り付けることを考えていました。でも、もっとFBな方法を思いつき、実行に移します。それは、大圏地図をOHP用シートに縮小コピーすること。アンテナは、下から見上げると西と東が逆になります。防犯用の暗視カメラに「鏡像」の機能はないだろうし、大圏地図も左右反転で作っておかないと……。そうして完成したのがコレです。
北米が左上、ヨーロッパやアフリカが右という、感覚的に奇妙な地図です。あれれ? しかし、届いたミニオンダッシュモニターの説明書を見ると……。
Reversing the priorityとかreverse imageとかいった文字が見られます。これって左右反転機能なの? そんならラッキーと、慌てて普通の大圏地図も作りました。
これでアンテナの向きが確認できるなら、バッチリじゃないですか。
【設置作業開始!】
①カメラ本体 ②延長ケーブル ③カメラ用ACアダプタ ④モニター ⑤モニター用電源ケーブル ⑥変換コネクタ …… 届いたものは以上です。BNC→RCAの変換コネクタ、10個も要らないんですけどぉ~!
ここで接続チェックをして明らかになったことが1点。やっぱりモニターに左右反転機能なんてありませんでした。そうじゃないかなぁ~と思っていたのですが、「Reverse」は左右反転じゃぁなくて、車の「バック」なんでしょう。だから、reverse imageは、「バックカメラの映像」ですね。普通、カメラの方で正像・鏡像の切替をしますから、安価なモニターには左右反転機能なんてついているはずがないのです。結局、こっちを使うことに……。モニターにセットした所です↓
この、厚さ5mmのアルミ板に穴をあけたものが、タワーへの取付金具になります。スマホの「コンパス」アプリを利用し、カメラを付けた時に北の方向が画面の「上」に正確に合うように、折り曲げておきます。
タワーへの取付は、とっても簡単。ジョイント部分のボルトは少々長いので、もともとのナットを取り外さなくても、ダブルナットにして十分余裕があります。カメラは防水ですが、延長ケーブルとの接続部分は防水にはなっていないとのことだったので、百均のタッパを簡易の防水ケースとして使用しました。コネクタ部分を自己融着テープとビニテでぐるぐる巻きにしてもよかったのですが、カメラが壊れたときの交換作業を考えて、ぐるぐる巻きはやめました。はい、こんな感じに出来上がりました。
【さて、使い勝手は……】
接続は単純ですから、画像は正常に映ります。安物ではありますが、画像は悪くありません。画面に貼り付けた(いや、アングルに挟んだだけです)大圏地図との相性もまぁまぁです。
こんな感じに室内からアンテナの様子がモニターできます。夜になると、赤外線LEDが点灯し、暗視モードに入ります。モニターの明るさ、コントラスト等の調整は必要ですが、夜でも何とかアンテナの向きは確認できます。Hi
【エピローグ】
壊れたローテーターのお陰で、ちょっとアマチュアらしいトライアルができました。やっぱり、空を見上げて……という原始的な方法より、モニターでカメラ映像を見て……という方が当然FBです。他の方のブログでも、送信時に映像が乱れると書かれていましたが、それはその通りです。一応パッチンコアは入れておいたのですが、そんなの何の効き目もありません。送信すると画面は消えます(笑)。でも、送信しながらアンテナを回すことはないので、全くOK! あとは、やっぱり東と西が逆なのが気持ち悪いですね。これまで40年近いアマチュア歴で、だいたいのDXの方向が頭に入ってはいますが、次回モニターが壊れた時には、少々高くても正像・鏡像切替OKのモニターを購入したいと思います。
長文、失礼しました。以上、今回のローテーター故障に関する顛末でした。なお、JA3ART 海老原さん、JF3LFL 今西さんはじめ、ご心配いただいた方々、いろいろアドバイスをいただいた方々にお礼申し上げます。