CQ DE JF3PLF

Activities of JF3PLF / K7IL

少し前ですが……  - KU1CW来日 -

KU1CW Alexから最初のメールが届いたのは、去年の12月でした。「3月に京都へ行くんだけど、どこか運用させてくれる局、ないかな」と。何でも、到着日に、Russian DX Contestがあるので、それに出たいんだそうです。

私は、その頃、ちょうど一年の中で一番忙しい時期なので、ごにょごにょ言ってたんですが、コールサインを取得するお手伝いまではお付き合いしました。JARLの国際課を通して4300円の手数料を払い、私の住所を使って免許を下ろしました。JP3JFK! John F. Kennedyじゃないですか。関西の総通は、全くの偶然にこのコールを指定したのでしょうが、もしかしたら、彼がアメリカ人だから便宜を図ったの?……と勘ぐってしまいます。ただし、Alexは、もともとEU1CWのコールを持っていて、ベラルーシ出身です。

さて、コンテスト、あちこち心当たりに打診をし、彼を受け入れてくれる局を探したのですが、うまく行きませんでした。社団局で「クラブコールを使ってマルチオペの一員としてなら……」とか「移動運用になら付き合いましょうか」とか、いろいろオファーはいただきましたが、彼は自分のコールで参加したいという意向なので、結局私が南山城村にあるJA3YQDのクラブシャックでお世話することになりました。

Ku1cw1

彼は、予定通り3月15日午後に関空にやってきました。そこから宿泊予定のホテルがある京都駅まで電車で。そして、ホテルにはチェックインはせず、荷物だけ預けて私たちのクラブメンバーであるJA3FVJさんとともに京田辺まで来ました。「和食 さと」で簡単な夕食会。彼は箸を使って日本食も食べます。その後、FVJさんは帰宅され、私と2人でセブンイレブンで食べ物、飲み物を買い込んで、南山城村へ向かいました。既にコンテスト開始の2100JSTは過ぎています。

シャックに着くと、運用ができる状態にセットします。JA3YQDは1kW局ですが、彼は自分のコール(移動局)で運用するのでリニアを使ってもらう訳には行きません。また、ロギングやCWのキーイングをどうするかで、しばらく試行錯誤しました。彼はN1MMを使いたいんだけれどもCWのIFを持参してない。私の持ってるUSBIF4CWはVer 1なのでN1MMには対応していない……。結局コンテストログはCTEWTWINを使ってもらい、USBIF4CWとカツミのメッセージキーヤー(MK-1024)をパラにつないで使うことに。

50Wなので、「呼んでも無視される」とか「誰も出てない」とか言いながらも、彼は運用を始めました。私は全然Russian DX Contestというものを知らなかったのですが、001形式で、DXCCのエンティティーとロシアのオブラストがマルチになるのですね。JA同士のQSOもOKということで、特に7MHzあたりで局数を伸ばしていったみたいです。私は、彼の運用がある程度軌道に乗ったのを確かめて、別室で寝てしまいましたが、彼は夜通し運用していたようです。

2日目、JJ3TBBさんが駆けつけてくれました。私の都合で「12時までしかアカンよ」と言っておいたのですが、少々延長してもらい、結局Alexには1300JST頃に運用を切り上げてもらいました。QSO数は、何とか300を超えたようです。

それから、ログをADIFにエクスポートしたまではよかったのですが、「N1MMにインポートするとエラーが出る」と。その場ではどうにもならなかったので、ADIF、Cabrillo、CSVといろんなフォーマットで保存し、「これで何とかなるやろ」ということでシャックを引き上げました。

Ku1cw2運用するのにAlexが困ったのは、床の上にじかに座るスタイル。「イスはないの?」と言いながら、その辺にあったログハウスの材料っぽい木を見つけてきて、それに座って運用していました。「どこのコンテスト局もこうなの?」と聞くので、「ここはコンテスト局じゃないし……」と答えておきました。

帰りはTBBさんとともに京都のホテルまで。途中、コメダ珈琲で休憩しましたが、「日本茶はないの?」と言うので店員さんも苦笑してはりました。

本当は、彼はコンテストをしに来たのではなく、ROHDE & SCHWARZの社員としての出張だったのです。「飛行機はビジネスクラスだったけど、赤ん坊は泣くわ、おばさん達がずっと大声でしゃべっているわ、2時間ほどしか眠れなかった」と言っていました。それでも到着初日に徹夜のコンテストなんですから、よっぽど好きなんですね。

N1MMの件、私もUSBに彼のコンテストデータをもらって帰り、解析をしました。結局N1MMのADIFには独自のタグがあるので、CTESTWINの生成するADIFでは正しくマルチ等が反映されなかったようです。あと、彼も「変革が必要だ」と言っていましたが、やはり日本の免許制度はアマチュア的ではありません。我々がWへ行ってもW1/JF3PLFで事前申請なく運用できるのに、Wのハムが日本へ来てもJA/KU1CWじゃ運用できないし、コールを下ろすのに手間と時間とお金がかかるのです。「相互」運用協定なら、平等性が不可欠だと思います。

それにしても、2012年から3人目の外国人ハムご案内です。SP5DDF、IT9BTI、そしてKU1CW。英語でWeb Pageを公開していると、目に付くようですね。今度はどこから誰が来るのでしょう。