実家から、ふとしたきっかけで、こんなものを発掘してきました。Corona製のタイプライターです。こんなの、あちらの昔の映画でもなければ今ではお目にかかることもないですよね。
もともとは、顔も見たことがない祖父のものらしいです。それを、これまた亡き父が引き継いだものでして、父はOlibettiだか何だかの新しいタイプライターを買ったので、当時小学校高学年ぐらいだった私がいただいたわけです。BCLなんかを始めた私は、これで外国の放送局へ受信報告書を送ったりしていました。アマチュア無線を始めてからも、しばらくはこれでQSLカードを打ったりしていましたっけ。
背面を見てみると、こんな銘板が。ん? 1917年製ですか? 父も生まれていませんね。祖父は大学で英文学を専攻していたそうですが、まだ十代でしょ? どうやってこんなもの、手に入れたんだか。ともかく打ってみましょう。
こんな感じ紙を挟みます。昔を思い出しながら打ってたら、間違う間違う! そうそう。数字を打つ時は「ダブルシフト」をしないといけないんだった。あれ、数字の「1」がないぞ。そうか、「l」(小文字のL)で代用するんだった。でも、何とか打てましたぜ。
なかなかいい雰囲気です。可動部分に少し潤滑剤を吹いておいたので、動きもスムーズでした。使わなくなって50年近く経つのに、まだ印字できるっていうのが驚きです。
見たところ、インクリボンの上半分しか使っていませんから、外して上下逆さまに付けたら、まだまだ使えそうです(笑)。
バックスペースのキーの下部には、木片が挟んでありますよ。これ、きっと祖父か父かの仕業ですが、アームの長いバックスペースキーのぐらつきを抑えたかったのでしょう。
使用後は、こんなふうにコンパクトにたたんでケースにしまいます。
きたないですが、一応頑丈ですよ。バックルのところには、ロックもかかるようになってます。(残念ながら、もう鍵はありませんが。)今も、新幹線の中でラップトップPCを開いてお仕事している方がおられますが、100年前なら、汽車の中でこんなケースをパカッと開き、お仕事の書類をタイプしているオジサン達がおられたのかも知れませんネ。明日は、これを職場へ持って行って、子ども達に見せてあげる予定です。